中小企業診断士にできることとは?

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に専門的アドバイスを提供する国家資格です。業務は主に公的機関や商工会を通じ…

はじめに

私が中小企業診断士という資格に合格したのが、今から約6年前、2019年の終わり(合格発表は2019年12月25日)だった。そして、2020年2月から3月に実務補習を受けて2020年5月に中小企業診断士として登録された。

中小企業診断士という資格を初めて知ったのがいつだったか、はっきりと覚えていないが、1990年代、20代後半の頃だったと思う。その頃、父が経営する小さなIT企業で働いていたが、中小企業を支援したいというような気持ちは全くなく、ITコーディネーターという資格に興味を持っていた。

その小さなIT企業で継続して働くうちに、いつしか小さな会社の苦労をいくつも経験、悔しい思いもし、その一方で新たな仕事を受注すると、すべて自分達で仕事した結果であるという小さな会社で働くことの醍醐味を実感するようになった。

40代半ばを過ぎ、少しだけ子育てが楽になったので何か資格を取ろうと調べた。若い頃にはわかっていなかったことであるが、その頃には、ITの技術にはそれほどの興味も情熱もないことに気付いていたので、ITに関する資格よりも中小企業診断士の方が面白そうと思い、挑戦してみるか、と軽い気持ちで勉強を始めた。これが、私が中小企業診断士を目指したきっかけである。

中小企業診断士という国家資格

中小企業診断士の勉強を始めてからも、国家資格だと認識していなかったと思う。そして、中小企業診断士という資格により、どんな仕事ができるかも私は全然知らなかった。今振り返ると、無知過ぎて恥ずかしい限りである。ただ、中小企業診断士試験対策の勉強はどれもそれなりに楽しかったし、有用であった。経営情報システムの科目だけは、本業で知っていることからすると、時代遅れの部分があったり、ちょっとずれていたり、という感じであったが、それでも、今まで知らなかったことや何となくわかっていたけど全然ちゃんとわかっていなかったことを勉強することができて、それは本当に良かった。

ちなみに、中小企業診断士試験の1次試験は、全部で7科目、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策がある。私は、経済学・経済政策が得意で、財務・会計と経営法務が苦手だった(今でも苦手…)。

中小企業庁のWebページには、

中小企業診断士(以下「診断士」という。)は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。

という説明がある。そして、その業務内容は以下の通りである。(以下は中小企業庁のWebページからの引用)

(1) 診断士の業務
診断士の業務は、支援法では中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言とされています。現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイスが主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。
(2) 診断士の役割
診断士は企業の成長戦略の策定について専門的知識をもってアドバイスします。また、策定した成長戦略を実行するに当たって具体的な経営計画を立て、その実績やその後の経営環境の変化を踏まえた支援も行います。このため、診断士は、専門的知識の活用とともに、企業と行政、企業と金融機関等のパイプ役、中小企業施策の適切な活用支援まで、幅広い活動に対応できる知識や能力が求められています。

つまり、簡単に言うと、企業の成長戦略のアドバイスに加え、行政や金融機関等とのパイプ役、中小企業施策の活用支援が、中小企業診断に期待されているようである。

どこで仕事している?

中小企業診断士の仕事の多くは行政などの公的機関や商工会議所、商工会などの支援機関からではないかと思う。もちろん、中小企業から直接コンサルティングの仕事を受注することもあるが、「中小企業診断士にコンサルティングを依頼しよう」と中小企業から直接問い合わせがあることは稀であろう。ビジネスを支援する公的機関や商工会議所、商工会などの相談窓口などにおそらく中小企業診断士が1人はいるのではないだろうか。

私自身も某ビジネスサポートセンターで相談員をしたり、東京都の制度で事業計画書作成の支援をしていたり、商工会の仕事で事業者の支援をしたり、という仕事を中心にしている。

どんな相談ができる?

事業者の方から「○○○で困っているのですが、こんな相談をここでしていいですか」と聞かれることが時々ある。ビジネスに関することであれば、どのようなことでも相談してよいので、基本的には何でも相談や質問をしてほしい。例えば以下のような相談がある。

  • 何から手を付けてよいかわからない。(起業の手続き等)
  • 見積書の作り方がわからない。
  • 商談で何を気を付けたらよいか。
  • 融資の申込で提出する事業計画書についてアドバイスが欲しい。
  • 会社を経営しているが、家庭(子育て、介護)との両立が難しい。
  • 事業承継についてのアドバイスが欲しい。
  • 新しい商材を取り扱いたいが、不安である。
  • 海外向け販売を始めたいが、どう始めたらよいか。

ただし、苦手な分野については、役に立つ回答や助言ができない場合もあり、申し訳ない思いをすることもある。